雲南の発酵菓子カヌカ(雲南市木次町里方)で9月12日、「緩やかにその種子をつなぐ会」が開かれた。主催は、「花と虻と風」の村岡大吾郎さん。今年で活動10年目を迎える。
家庭栽培で採取した種子や、まききれなかった種や豆を持ち寄り、誰かにつないだり、交換したりする会。持ち寄った種には、どのように入手したものか、ルーツが分かるように記した。農薬などの使用の有無も添えられ、種を受け取る人が背景を知ることができるようにした。昔から受け継がれてきた種が集まり、それぞれの物語に耳を傾ける時間となった。
会場では、F1種、固定種、在来種、エアルーム種など、種子の種類や特徴についても紹介。市販の種子を購入する際の見分け方や、種子とは何かといった基礎知識にも触れた。種苗法に関わる登録品種と非登録品種の扱い方や注意点についても学ぶ機会となった。種子の採取や増殖、譲渡などは、品種によって法令や権利上の取り扱いが異なる。種をつなぐ活動に当たっては、品種ごとのルールを確認することが大切だと説明した。
種子を販売することを目的としたものではなく、家庭菜園を入り口に、種を自分で採り、誰かへつないでいくという「種の自給自足」を支える取り組みの一つだ。海外からの輸入品も多く流通する種子。海外の情勢によっては、輸入が難しくなる可能性もある。そうした中で、国内で残され、伝えられてきた種を後世へ受け継ぐことの大切さを訴えた。交換の場では、種の育て方やまく時期について、親身に話し会場では、穏やかな交流が生まれた。
村岡さんは「種をまくことへのハードルを下げ、まずは家庭菜園から、できることを始めていけたら」と話す。種をつなぐ営みを、身近な暮らしの中から広げていく思いを込めた。配った種から実ったスイカも振る舞われた。
1階の店舗では、「スパイスと薬草研究室」のlittlelightさんによるチャイも振る舞った。「今日の私に贈るチャイ」として、その日の気分や感じたことをもとに、好きな香りを選びながらブレンドを楽しめる。来場者は、キンモクセイやラベンダー、ローズなど、好みの香りを選び、スパイスや薬草の香りに包まれながら、カヌカの焼き菓子と共にチャイが味わった。
発酵菓子カヌカでは、今後もさまざまな催し物を開催する予定。