奥出雲町内の小中学校教職員を対象とした「ふるさと理解研修会」が7月31日、町内各所で行われた。主催は奥出雲町教育委員会。
同研修は、町内に勤務する教職員が奥出雲の「ひと・もの・こと」に直接触れ、地域への理解を深めることを目的に毎年開催している。各所を訪ねながら学習の題材を見つけ、授業づくりについて情報交換することで、ふるさと教育や各教科の指導の充実につなげる。
当日は、たたらと刀剣館をスタートし、棚田や阿井川、可部屋集成館・櫻井家住宅、国の名勝・天然記念物「鬼の舌震」などを巡った。講師を島根大学法文学部山陰研究センター客員研究員の宍戸俊悟さんが務め、各地の歴史や文化、自然などについて解説した。
たたらと刀剣館では、宍戸さんの説明に耳を傾け、たたら製鉄の起源や工程について理解を深めた。その後はバスで町内を巡り、棚田などの景観に目を向けた。
午後には、可部屋集成館と櫻井家住宅を訪問。参加者は展示資料を見たり、ガイドの説明を聞きながらメモを取ったりするなどして、地域の成り立ちや暮らしについて学んだ。櫻井家住宅は、TBS系ドラマ「VIVANT」で主人公・乃木憂助の実家として撮影に使われ、撮影時のエピソードなども紹介した。
鬼の舌震では、渓谷を歩き、自然が生み出した景観を体感した。名称の由来や地形について説明を受け、実際の地形を観察しながら学んだ。
各所では、参加者同士で授業への活用について話す姿が見られたほか、教職員と地域住民との思いがけない再会や新たな出会いもあった。町内に赴任して間もない教職員にとっては地域を知る機会となり、町内出身者や長く地域に関わる教職員にとっても、身近だからこそ訪れる機会の少ない地域を巡り、奥出雲の魅力を改めて感じた様子だった。
参加した仁多中学校校長の星野寿幸さんは「今日の研修をとても楽しみにしていた。知っているようで知らないこともたくさんあり、実際に見たり聞いたりすることで、多くの学びがあった」と振り返り、「教材に活用できそうな地域資源もたくさんあり、学校活動にも取り入れていきたい」と話す。