東南アジア各国で3Dプリンティング建築を手がけるベンチャー企業「V3D Asia」(東京都千代田区)が、雲南・掛合の国道54号線沿いの特設会場(雲南市掛合町掛合)で同社の3Dプリンティング建設の実証試験を始め、5月25日~27日の3日間、現地見学会を行った。
同社は独自開発の3Dプリンターと、素材化学の研究チームが培った技術で、モルタルにプラスチックファイバーやカーボンナノ素材を混ぜることで強度を高め各国の建築基準をクリアするという。既に東南アジアでは政府機関と連携した公共施設建設プロジェクトを完了している。現地で調達可能なモルタル添加剤を使うことで低コストも実現したという。
同社の浅見潤社長は「今後は日本での展開を本格化させたい。新しい技術の導入は西日本が早いと
聞いたことに加え、人口減少が進む地方から展開したいと考えていた。(当社の)若いスタッフが雲南市地域おこし協力隊の小堀祥仁さんと知り合いで、地元の建設会社を紹介してもらうことができ、雲南市で実証試験を行うことにした」と経緯を話す。
小堀さんは「まちづくりの活動をする中で、地元の建築業の会社とコラボレーションしたいと考えていた。建設会社でもあり、生コンの会社もグループ内にある中澤建設に声がけして実現した。素材研究と工学と建築の連携に興味もあった」と話す。
協力する中澤建設の中澤太輔専務は「人材不足は深刻。この技術によって人材不足にアプローチしたい。新しい技術の先駆者になるチャンスとも考えた」と振り返る。
現場にはガントリー式の3Dプリンター(横8メートル、縦8メートル、高5メートル)を設置し、曲線を多く使ったベンチを製作している。現場には東南アジアでのプロジェクト概要を示すパネルも用意。モルタルを積み上げたサンプルも用意した。県などの行政関係、建設関係、設計関係など3日間で200人以上が見学し、関心の高さを示した。