雲南の「みんなのお家(うち)」(雲南市木次町里方)で5月29日、「地域企業は、地域とどう未来をつくるのか」と題した講演会が開かれ、地域の企業などから30人余りが参加した。主催はCNC(木次町木次)。
企画した同社の矢田明子社長は「長く生きてきて良かったと言えるような励みになる人間関係を作る仕事をしている。すぐにもうかるわけではない、地元からお金をたくさんもらうわけでもない。こういう活動を地元に100年続く企業がやるべきとコミュニティーナース活動を会社に取り込んだ事例を紹介し、地域企業として地域との関わり方を考えるきっかけにしてもらえれば」と呼びかけた。
登壇したのは北九州市で100年続く岡野バルブ製造で地域連携推進責任者を務める小島隆さん。小島さんは、かつては四大工業地帯の一つだったが、人口が減り続け、ついに90万人を切った北九州市のイメージから話を始めた後、同市門司区で発電所用の高圧バルブを製造する岡野バルブの事業が東日本大震災で窮地に立たされたこと、そこから4つのステップで改革を進めてきたこと、2020年から最後の成長フェーズに入り、2024年にCNCとの連携を決め、2025年から実際に門司の街なかで連携事業を始めたことなどを話した。
モデレーターを務めた社会変革財団の工藤七子さんから「なぜCNCとの連携をやっているんですか」と聞かれた小島さんは「最近は、会社にとって地域を良くすることが企業の成長そのもの。地域の未来への希望の合理的投資と考えられるようになった。いつかは分からないが、いつかは会社に戻ってくる。かなり先だと思う」と話した。小島さんによると、今後の課題は社内への浸透。「製造現場でしっかり今の事業を支えている社員が体感できるような地域活動とのつながりができてくると良い」と話す。
地元企業の代表として登壇した「出雲たかはし」の高橋大輔社長は「地域との距離が近すぎて企業活動の全てが地域と結びついている。雲南市総合計画策定委員の委員長を引き受けてから、少しずつ考え方が変わってきている。社内で地域貢献手当を始めたのもその一つ。社員が消防団やボランティア、地域活動などで地域と関わっている。それらの社員を応援したい」と話す。高橋さんは「社員の中にも地域を何とかしたいと思っている人がいる。中間管理職や経営者の考え方を変えて、社員の気持ちを理解することが重要」と呼びかけた。