雲南の「神楽の宿」(雲南市大東町須賀)で8月29日、「第35回夜神楽大会」が開かれた。神楽の宿の改修を記念して行われたもので、地元の神楽社中などが出演し、約4時間にわたって出雲神楽の舞を披露した。
夜神楽大会は、海潮地区振興会と大東町神楽連絡協議会などでつくる実行委員会が主催。座敷で行ってきた神楽を保存・再現する「神楽の宿」を舞台に、地域に受け継がれてきた神楽の魅力を伝える催しとして毎年開かれている。同施設はかやぶきの屋根が古くなり雨漏りもする状態になったため、今回鋼板の屋根に改修した。今回は改修後の記念の大会となった。
18時10分、海潮子ども神楽による「簸の川大蛇退治」で幕を開けた。続いて佐世神楽社中が「伊賦夜坂」、山王寺本郷神楽社中が「茅の輪」、薦沢神楽社中が「日本武」、小河内神楽社中が「三韓」を上演。休憩を挟み、和野神楽社中が「簸の川大蛇退治」を披露した。
「伊賦夜坂」は、伊邪那岐命と亡くなった伊邪那美命にまつわる黄泉国の物語。「茅の輪」は、須佐之男命が蘇民将来から一夜の宿を求められたという神話を題材にした演目。「日本武」は日本武尊の東征を描き、「三韓」は朝鮮半島遠征の物語を勇壮な太鼓や笛の音とともに表現する。最後の「簸の川大蛇退治」では、須佐之男命が八岐大蛇を退治する場面もあり、会場を盛り上げた。
海潮地域では、神能記や神楽道具などに残る資料から、約300年前から和野、山王寺本郷、薦沢、小河内などで神楽が行われてきたと考えられている。現在も各社中が伝統を受け継ぎ、海潮神代神楽や和野神楽は無形民俗文化財にも指定されている。
次世代への継承を担う「海潮子ども神楽」も活動を続けている。高校生1人、中学生7人、小学生2人が参加し、地域の神楽を学びながら舞を受け継いでいる。