藤ヶ瀬広場と藤ヶ瀬城跡(奥出雲町横田六日市)周辺で7月5日、節目の10回目となる「オオムラサキ放チョウ会」が開かれ、地元をはじめ県内各地から親子連れなど約200人が参加した。主催は国チョウオオムラサキと藤ヶ瀬城跡を保存する会と横田地区振興会青少年育成部。
同会はオオムラサキの保護活動への理解を深めるとともに、藤ヶ瀬城跡や地域の自然に親しんでもらおうと毎年放チョウ会を開いてきた。今年は約900匹の幼虫を育て、この日までに約220匹が成虫になったという。シークゲージでは、幼虫が成長する様子や、さなぎから羽化したオオムラサキを見学できる。
放チョウ会はこれまで、オオムラサキを飼育しているシークゲージ周辺で放チョウ会を行ってきたが、今回は節目となる10回目の開催を記念して、藤ヶ瀬広場を主会場に規模を広げて実施。記念セレモニーや放チョウ、写真展示、藤ヶ瀬城跡周辺を巡るフィールドワーク、飲食販売などを行った。会場には松江武者応援隊も駆け付け、甲冑(かっちゅう)姿で来場者を迎え、記念セレモニーを盛り上げた。
記念セレモニーでは、横田小学校の3年生児童が制作したくす玉を、当日参加した同校3年生児童が割った。くす玉が開くと、「祝べ大空へ 第10回大会」と書かれた垂れ幕が現れ、会場から拍手が送られた。
放チョウでは、参加者が虫かごのふたを開け、用意された約70匹のオオムラサキを放した。ふたを開けてもすぐには飛び立たず、かごや参加者の手にとどまる個体もいたが、羽を広げると一気に空高く舞い上がった。参加者は歓声を上げたり、飛んでいく姿を目で追ったりしながら、国チョウとの触れ合いを楽しんだ。
放チョウ後は、オオムラサキを間近で観察したほか、藤ヶ瀬城跡周辺を歩くフィールドワークなどを実施。参加した子どもは「オオムラサキを見るのは初めてだった。見るのも面白かったし、放すのも楽しかった」と話していた。
六日市自治会の福田一朗さんも10年ぶりに参加した。福田さんは、地域でオオムラサキの保護活動が始まった当時、小学3年生だった。その後、県外の高校へ進学し、この春に卒業。現在は県内の専門学校に通っている。福田さんは「自分がいない間も、自治会の皆さんが中心となって活動が続いていて、今日もたくさんの人に来てもらえたことが本当にうれしい。今後も積極的に自治会の行事などに関わっていきたい」と話す。
同会の岸本三雄さんは「正確な数を確認するのは難しいが、活動を始めてから、実際に山の中を飛ぶオオムラサキは少しずつ増えていると感じている。毎年の草刈りなどは大変だが、今後も地域の力を借りながら活動を続けていきたい」と意気込む。