雲南の「永井博士生い立ちの家」(雲南市三刀屋町多久和)で4月12日、今年初めてとなる「永井隆タイム(旧永井カフェ)」が開かれ、10人余りの市民が参加した。主催は、地域自主組織「雲見の里いいし」。
同地区は、ベストセラーとなった「長崎の鐘」で原爆直後の長崎の様子を克明に世界に伝え、自らも被爆しながら負傷者の救護を行った永井隆博士が幼少の頃から過ごした場所。同施設は老朽化でかやぶき屋根の痛みが激しく、雨漏りもしている状態だったことから、2022年、屋根のふき替え工事や室内の整備を行った。以来、地元のボランティアガイドが説明しながらお茶を楽しむ機会として「永井隆タイム(旧永井カフェ)」を開催してきた。今年2月にも予定していたが大雪で中止となり、この日が今年最初の開催となった。
当日は、博士に関するDVDを鑑賞。参加者は、「長崎の鐘」の出版に当たってGHQの検閲が2年も続き、条件を付けられながら出版を決断したこと。その後ベストセラーとなり、日本語以外のさまざまな言語に翻訳され、原爆の悲惨さを世界に知らせたこと。博士自身が放射線の研究者で、放射線の利用価値を信じながら、戦争に使われ悲惨な結果を招き、自身も病に冒されることになったことに心の葛藤があったのでないかということなどを学んだ。
その後は、同施設の隣に住み、ボランティアガイドを務める陶山弘二さんが、パネルを使って博士と生い立ちの家の経緯を説明。当時の飯石村(現三刀屋町飯石地区)が無医村となり、村長の依頼で医師の父と共に1歳の時に家族で同地に移って来たことなどを、当時の写真を使って説明した。博士は旧制中学進学後も休みの度に家族の元に帰って来て近所の友人と遊んでいたという。
次回は6月14日の開催を予定。8月には旧飯石小学校に残る博士関連の資料を整理するイベントも開く予定。