
「きすき春の古本市」が5月31日、「和田邸(旧和田呉服店)」(雲南市木次町木次)で開催された。主催は雲南市起業型地域おこし協力隊の小堀祥仁(よしひと)さん。
小堀さんは、大学の建築ゼミで木次町の古民家改修プロジェクトに参加し、木次の街並みに魅了された。昨年、東京の建設会社を退職し、雲南市起業型地域おこし協力隊員として着任。木次中心市街地の空き家を活用した地域活性化に取り組んでいる。
木次中心市街地のほぼ中央に位置し空き家となっていた和田邸を持ち主から借り受け、飲食など複合施設への改修を計画している。「和田邸をみんなに知ってほしい」と、古本市を初めて企画した。
松江、出雲、益田、雲南市内に加え、米子、津山の県外からも古書店14店舗、出雲、雲南のアマチュア3店舗、計17店舗が出店。旧和田呉服店の店舗部分の土間と和室に分かれ、それぞれに店を構えた。
当日は開催前から数人の客が訪れ始め、開催時刻の10時には会場は客で埋まった。市が終わる16時まで客の流れは途切れることなく続き、木次中心市街地としては桜祭りに次ぐにぎわいとなった。米子から出店した店の常連客が「木次線に乗ってやって来た」と、なじみの店主と話す姿も見られ。訪れた客が、それぞれの店を熱心に見て回った。
出店者からは「和田邸の雰囲気が各店の設営デザインとマッチして、とてもすてきな空間となった」という声が多く聞かれた。主催した小堀さんは「前日まではお客さまが来るのかどうか、とても不安だったが、思ったより大勢のお客さまに来てもらえた。大勢の人に和田邸を知ってもらえたのでは」と手応えを見せる。
秋の古本市は、10月12日、木次中心市街地で行われる「賑(にぎ)やか市」と連動して開催する予定。