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雲南で演劇「ムゲンとカギリ」 地域と作る舞台、128人が観劇

主人公の「背負い劇場屋」を演じる大原志保子さん

主人公の「背負い劇場屋」を演じる大原志保子さん

 雲南市木次経済文化会館チェリヴァホール(雲南市木次町里方)で8月22日・23日、演劇作品「ムゲンとカギリ〜弟子にしてくださいの巻〜」が上演され、親子連れを含む128人が来場した。主催は「読んで創って楽しもう実行委員会」。

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 同作品は、小さな劇場を背負って旅する「背負い劇場屋」と、ごみの猫「ムゲン」が登場する物語。樋口ミユさんが作・演出を手がけ、大原志保子さん、石原加弥子さん、いたがき。さん、古瀬恵美さん、橘政晴さん、橘奈未さんらが出演。音楽を大畑和樹さん、演奏をふくしましょうこさんが担当した。

 樋口さんは2014(平成26)年に島根で公演したことをきっかけに、ほぼ毎年雲南で公演を続けている。4年前には地元住民を中心とした実行委員会が立ち上がり、地域と共に舞台を作ってきた。今回の作品は、昨年上演した短編の続編となる。

 同委員会は、親子で演劇を楽しむ機会を大切にしており、公演だけでなくワークショップも展開。今回は作品に登場する「ごみの猫」を作るワークショップを行い、実際に制作した猫を持って観劇に訪れた子どもの姿もあったという。23日11時からの親子観劇の回には35人の親子連れが来場した。

 樋口さんは「子ども向けだからといって、単に優しくて道徳的な作品にはしたくない」と話し、真剣な創作表現に触れることの大切さを語る。「デジタルネイティブの子どもたちにとって、すぐに結果や反応が返ってこない人と人との間にあるもどかしさを受け止める力を培うのに、演劇は適している」とも話す。「知らない言葉がたくさん出てきても、子どもたちは驚くほど集中して見ていた。言葉を知識として知るだけでなく、感じるものに触れる機会を大切にしたい」と思いを述べた。

 松江市から訪れた伊藤輝子さんは「樋口さんの作品のファンで、来られる時には欠かさず来ている。猫のムゲンがかわいらしく、人形と役者がシンクロして生き生きしていた」と笑顔を見せた。一緒に観劇した亘さんも「背負い劇場という設定や世界観に、樋口さんらしさを感じた」と話した。

 主人公の「背負い劇場屋」を演じた大原さんは22日の公演後、翌日に向けて「みんなが練習にしっかり取り組んだので、不安はない。明日も新たなチャレンジができることが楽しみ」と意気込みを見せた。樋口さんも「役者のみんな最高だなと感じた」と手応えを語り、「本番では互いの芝居やお客さんの反応からも新たな表現が生まれ続ける。その循環が見られた」と振り返った。

 樋口さんは、観劇体験はすぐに結果が出るものではなく、何年か先に実を結ぶものだと考えている。「長く続けることによって、雲南の子どもたちに変化があると思う。だから親子観劇を大切にしたい」と今後への思いを語った。