
「里山の水源環境再生ワークショップ in 雲南」の第1回が6月10日、雲南市大東町阿用地区にある阿用神社の奥の山あいで開催された。講師は環境NGO「虔十(けんじゅう)の会」代表で生物多様性ガイドの坂田昌子さん、生物学博士でNPO法人「SOMA」代表理事の瀬戸昌宜(まさのぶ)さん、大山山麓で地域創生医として活動する医師の桐村里紗さん。
阿用地区で農業と酪農を営み、プラネタリーツーリズム(上流から下流へ水の流れを感じ学ぶ旅)を計画している小倉綾子さんを中心に、雲南市で若者の起業を支援するNPO法人「おっちラボ」が協力して企画した。阿用神社の奥は、出雲の大河斐伊川の支流の支流阿用川に流れ込む水源に当たる地域。当日は、雲南市内、大山山麓、京都、関東などから44人が参加した。
全3回行うワークショップの始めに講師の坂田さんが「今日の目的は『見立て』。注意深く観察すると自然の草や虫、水などが、今の自然の状態を教えてくれる。どういう状態が自然にとって良いのかは人間では判断できない。自然の声を聞く必要がある」と話した。
森に分け入った参加者たちは、外来生物の繁茂の様子や原因、谷あいの沢の様子や近くの杉林との関係、古い田んぼ後に人工の杉林となった湿地の見方や再生の方法、巨木が竹の勢いに押されている現場、竹林を整備した後に想像される景色など、講師陣から説明を受けながら森の中を歩いた。
夜には、近くの交流センターで振り返りと懇親会を開き、講師陣からは、次回までの環境再生についての宿題が参加者に出された。「おっちラボ」代表理事の小俣健三郎さんは「次回(9月)のワークショップまでにどこまでできるか、チャレンジしたい」と意欲を見せていた。
第2回は9月、第3回は11月、同じ講師を招いて開催し、環境再生の方法を学びながら再生作業を行う予定。