
「里山照らし隊」が8月23日、民谷交流センター(雲南市吉田町民谷)で隣の民谷地区も初めて参加して今年3回目の「草刈り応援隊」を行った。
「里山照らし隊」は市内吉田町宇山地区で里山の自然環境や田園景観、古民家などを活用して、地域外からの来訪者を呼び込んだ多様な交流事業を行っている。地域内の人だけではできなくなった地域の草刈りを、地域外からの来訪者に一緒にやってもらう交流イベント「草刈り応援隊」を2018(平成30)年から年3回行っている。従来は影山邦人隊長の家の前で行っていたが、今回から隣の民谷地区も加わり、会場を民谷交流センターに移した。
8時の集合時間前になると続々と人が集まり始め、地区内の住民に加えて、市内、県内外から総勢70人が参加した。半数以上が地区外からの参加者で、遠くは東京、埼玉、神奈川、愛知、大阪からの参加者もいた。
最初にあいさつに立った影山隊長は「草刈りをすることで多方面から地域に人が来て地域の人との交流が始まっている。継続していることが重要で、どうすれば継続していけるかを考えながら運営している。地域内の人も地域外の人を受け入れる気持ちがないと交流にならないが、少しずつ受け入れる気持ちが育ってきた」と話した。
昼食を用意する地域の人も含めて全員が自己紹介した後、刈り払い機の操作が初めてな人や不安な人に地域の人が使い方をレクチャーし、宇山と民谷の2地区に分かれて草刈りの現場へ移動した。
宇山地区では石神神社周辺の田んぼのあぜで草刈りを行った。けががないようにそれぞれ十分に距離をとって散らばり、時折、地域の人から指導を受けながら1時間30分ほど作業を行った。
民谷地区では最も奥にある、雲南市内で最も標高の高いところにある田んぼ周辺に移動し、休憩を挟んで2時間ほど草刈り作業を行った。休憩時間には冷たい飲み物とおにぎりが用意された。
夫婦で参加したという中村さおりさんは「あまり多くは刈れなかったが、楽しかった」、岡山から参加した大学生の鳥谷一花(いちか)さんは「大変だった。つるが絡まるなどして難しかった。地域の人にいろいろ教えてもらった」と、それぞれ話していた。
両地区の草刈りが終了すると全員が同センターに再集合し、地域の婦人たちが用意した料理とおにぎりを食べながら交流を楽しんだ。料理の中には地域独特のレシピで作られる数種類のみそ(鉄火みそ、ニラみそ、ピーマンみそ、梅みそ)があり、おにぎりによく合うと好評だった。