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雲南・阿用のゲストハウス「IKIRU」が開業から半年 地域住民が応援

ゲストハウスのダイニングルームに飾る47都道府県134軒のゲストハウスを回って集めた寄せ書きと吉田さん

ゲストハウスのダイニングルームに飾る47都道府県134軒のゲストハウスを回って集めた寄せ書きと吉田さん

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 ゲストハウス「IKIRU(いきる)」(雲南市大東町東阿用)がオープンして、8月8日で半年がたった。

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 同施設のオーナー吉田勇輝さんは「偶然つながりができた友人からの誘いで阿用の米作り体験に参加し、自分が年を取った時になりたい、生き生きとしたおじいさんたちに出会った。これをきっかけに、阿用を超える場所がないかと1年半をかけて47都道府県134軒のゲストハウスを泊まり歩いた」と振り返る。結局、阿用での印象が強く、阿用でゲストハウスを開業することを決めた。

 日本全国を回る中で2000人に会い、2000通りの生き方に触れるうちに自分が楽になっていったという。同施設を訪れる人にも、「いろいろな生き方を知って楽になってほしい」という思いから、施設名を「IKIRU(いきる)」にした。「宿泊した人に、その人が会ったことがない生き方をしている地域の人に会って感じてほしい」という。「キャリアで悩んでいる人に方向性を見いだしてもらえたら」と、ロゴに矢印を組み込んだ。

 阿用地区の東上自治会にあった初代大東町長の家を購入。築250年の母屋を改修して住み、築93年の納屋を改築してゲストハウスにした。ツインルーム2部屋、定員4人のファミリールーム1部屋(共に1人6,000円)、ドミトリー4部屋(1人4,500円)(共に、夏季は冷房代300円、冬季は暖房代500円加算)を用意。共用のダイニングキッチンは広めに取り、宿泊客同士の交流を重視する。宿泊客は母屋の日本家屋も見学できる。

 初年度は販売チャネルを絞ろうと、予約は今のところインスタグラムからのチャットと、グーグルマップからの電話のみで対応。開業以来、延べ420人のゲストを迎え、3割が関東、3割が中国地方、2割が関西、2割がその他の地域だという。インスタグラムなど外国語対応していないこともあり、今のところは国内客がほとんど。「日本全国を回ってできた友人からの口コミが大きい」と話す。結果として、「宿泊客には思いやりのある人が多い」という。

 「多くの人がこの地区に来るようになり、地域の人たちにも刺激を与えている」という。「『大勢が来てくれてうれしい』『これまで暗かったところに明かりがともってうれしい』と言われるようになった。春からは、畑で野菜を育て宿泊客に野菜の収穫体験もできるようにし始めたが、機械を持っている地域の人が畑を耕してくれたり、野菜作りが初めての吉田さんが困っていると教えてくれたり、助けてくれたりと、地域の人たちに応援してもらっている」と話す。

 地域の自治会活動にも積極的に取り組む吉田さん。今後については、「自治会内にいくつかある空き家を改修して、自分の田んぼや畑を中心にして歩いて行き来できるシェアハウスや一棟貸しの宿など、事業を拡大していきたい」と意気込みを見せる。

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