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雲南で永井隆平和賞発表式典 「今こそ平和を」の思い込め受賞作を朗読

石飛雲南市長より表彰を受ける高校生の部最優秀賞を獲得した黒木さん

石飛雲南市長より表彰を受ける高校生の部最優秀賞を獲得した黒木さん

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 雲南市木次経済文化会館チェリヴァホール(雲南市木次町里方)で9月14日、「第35回永井隆平和賞」発表式典が行われた。主催は雲南市と雲南市教育委員会。永井隆博士は幼少の頃、雲南市三刀屋町多久和で過ごした。

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 13時30分に「平和の鐘」の合唱で式典が始まり、主催者のあいさつに続き、来賓の雲南市永井隆記念館の藤原重信館長が三刀屋如己の会の陶山紳一朗会長のあいさつを代読。「今、世界では第2次世界大戦を忘れたかのように戦争が継続しているが、永井隆博士の言葉『自分の如(ごと)く人を愛しなさい』を実行し、早くその時が来ることを願ってやまない」と訴えた。

 受賞者の発表では、小学生低・高学年、中学生、高校生、一般の5部門の受賞者を紹介。各部門の代表が壇上に上がり、石飛厚志市長より表彰状と記念品目録を受け取った。

 最優秀賞の朗読では、小学生高学年の部で最優秀賞に輝いた浦野恵奈さん(東京都・星美学園小学校6年)が、学校での平和学習で永井隆博士のことを学んだこと、広島へ行き被爆した小学校へ行ったこと、クラスの皆と手をつなぎ手が温かいことに生きていることを感じたことなどを読み上げた。

 高校生の部で最優秀賞を獲得した黒木大誠さん(東京都・東京大学教育学部付属中等教育学校5年)は、石となり戦争から帰ってきた大叔父2人が生きた証しを求めて靖国神社を訪ね名前と住所を頼りに消息を調べたこと、神社の人から「戦死」という紙を受け取ったことなどの経験を語り、実行する平和への決意を語った。

 講評では最終選考委員を代表して島根県立大学副学長の岩田英作さんが、式典に参加した受賞者の作品一点一点に丁寧な解説の言葉をかけた後、「今回の評価の中では、行動力が重要なポイントになった。自ら動いて調べ、行動していくことの大切さを伝えたい」と総括した。

 式典の後には、日本原水爆被害者団体協議会の本間恵美子代表理事の記念講演が行われ、原爆投下によって人間に及ぼされた被害の実相を写真で伝える「原爆と人間」を紹介し、核兵器の恐ろしさを訴えた。後半はノーベル平和賞授賞式に出席した時の様子を、写真を多く使いながら紹介。「受賞できたのは、現在の核兵器をめぐる情勢に世界の多くの人々が危機感を抱いており、長年行動してきた当協議会を高く評価したから」と話し、行動することの重要性を訴えた。

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