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雲南で「みんなでランチを楽しむ会」 昭和初期に学校給食実施を決めた場所で

楽しく話しながらランチを食べる「みんなでらん家(ち)」を企画した中村さん

楽しく話しながらランチを食べる「みんなでらん家(ち)」を企画した中村さん

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 雲南の「みんなのお家」(雲南市木次町里方)で10月27日、10回目となる「みんなのらん家(ち)」が開かれた。主催はCNC。

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 CNCに入社した中村綾佳さんは「調理師の免許を持っていることを生かして参加者同士で楽しくおしゃべりしながらおいしくランチを食べられる場を作りたい」と昨年11月、ランチを一緒に楽しく食べる「なかむらん家(ち)」を始めた。「4回目あたりから参加者から進んで手伝いを申し出てもらえるようになり、参加者と一緒に作っていく感じになった」と振り返る。

 この日のメニューは、地域の人から提供された新米のご飯、白菜と厚揚げに新ショウガのみそ汁、CNCの拠点がある北海道更別の農家から送られたジャガイモを使った肉じゃが、CNCスタッフが育てたサツマイモにベーコン、枝豆、タマネギを加えたサラダ、大根の漬物など。10月ということで月見団子も添え、秋らしいメニューを中村さんが考えた。

 当日は、木次の人たちのほか、加茂や三刀屋など市内他地域からも高齢者、ビジネスマン、若者など多様な人たちが参加。京都市や東京の大学からの視察者、市内の社会福祉協議会の視察者など総勢60人が楽しくおしゃべりをしながらランチを楽しんだ。

 食事の後には毎回楽しい企画を催しているが、この日は地元斐伊地区で生まれ育った佐藤幸男さんが斐伊の歴史と手品を披露した。度々起きる斐伊川の洪水と島根県で最も小さい180世帯しかない最も貧しい村だったこと、今年開校150周年を迎える斐伊小学校では昭和の大恐慌で昼の弁当持ってこれない児童がいたことから、1928(昭和3)年、当時の校長と村長が相談して学校給食を決断したこと、その決断した場所が今は「みんなのお家」となっている旧山根医院だったこと、最初は保護者から野菜などを差し入れてもらい、みそ汁だけだったが、1932(昭和7)年には、給食室も作り学校完全給食を始めたことなどを話すと、参加者した人たちも感慨深そうに耳を傾けた。

 中村さんは「みんなが楽しく食べる場となってきた。地域をまたいで他の地域の方々も来て、みんなで作るイベントになってきてうれしい。今はランチだけだが、今後は晩ご飯などにも挑戦したい」と意気込む。

 次回は11月20日に開催する。

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