
三新塔交流センター(雲南市木次町木次)で9月28日、「木次本通り地区エリアプラットフォーム(仮称)設立準備会」が行われた。都市再生推進法人を目指すたすき、うんなんコミュニティー財団、遠足計画が開いた。
雲南市中心市街地活性化協議会が2015(平成27)年に始まり、木次駅前を含めた地区が中心市街地に選ばれた。2017(平成29)年には、三新塔あきば協議会で空き家再生プロジェクトが始まり、地区内の空き家の調査に着手するとともに、企業と共創して空き家を活用したコワーキングスペース作りなどが始まった。2021年にはエリアビジョンの検討も始まり、地域の人たちによる地域づくり研修や高校生アンケートなどを行ってきた。
昨年、これまで地域活性化企業人として雲南市に関わってきた岡晴信さんが脱サラして都市再生推進法人を目指す「たすき」を起業。小堀祥仁さんが商店街の空き家を活用した「にぎわう場づくり」をテーマに起業型地域おこし協力隊に着任。岡山などでまちづくりに取り組んできた石原達也さんが雲南市に移住し遠足計画を起業した。うんなんコミュニティー財団は、遺贈寄付や不動産寄付の受け皿となることを検討する。
プレーヤーがそろってきたことで、同協議会での議論に、商店会、建設会社、不動産会社、開発公社、銀行、市関係部署なども巻き込み、隣の八日市地域づくりの会も取り込んで、まちづくりビジョンの決定や空き家の持ち主や借り主候補の調整などを行うプラットフォーム作りを目指すことにした。
当日は、地域のさまざまな組織から25人が参加。趣旨と経緯の説明に続き、これまでのエリアビジョンの検討の内容を紹介した。その後、4チームに分かれて、エリアビジョンの討議を行い、追加したこと、修正したいことなど意見を出し合った。早稲田大学理工学術院創造理工学部建築学科の田中智之教授のゼミ生6人が議論のファシリテーターとして参加した。ゼミ生はチームごとに議論の結果を3つの重点にまとめ全体で共有。最後に同会の名称について、それぞれ名称案を書き出し、全員で投票して名称を決めた。
田中教授は「まちづくりは正解のない課題。学生たちにも現地で地域の人たちの声を聞きながら良き答えを探すことを通じて、実際の学びを得てほしい。小堀さんのように地域に入ることなど、将来の進路の選択を広げる体験になることも期待している」と話す。
今後も継続して議論することにしており、第2回を11月19日に、第3回を1月上旬に開き、国土交通省の官民連携まちなか再生推進事業のメニューの一つであるエリアプラットフォーム活動支援事業を目指す。