
「みとや深谷温泉ふかたに荘」(雲南市三刀屋町根波別所)で9月21日、「深谷温泉祭り」が初めて行われた。主催は、躍動と安らぎの里づくり鍋山(躍動鍋山)、労働者協同組合うんなん(労協うんなん)、深谷温泉応援隊。
「躍動鍋山」の秦美幸会長は2006(平成18)年の設立時、行事から福祉にかじを切った。災害に備えて要支援者の避難を支える体制を作ったり、水道の検針を請け負ったりすることで委託料収入を稼ぎながら月1回の検針に合わせて高齢者の見守りを行った。さらに、地域のリタイア組で「安心生活応援隊」を結成し、草刈りや雪かきを担ったり、退職した看護師グループがサロンと健康チェックを兼ねたカフェを月2回開いたり、子どもの遊び場を作ったり、高齢者の移動を支援したりするなどして、「最期まで暮らせる鍋山」を目指し、名より実の住民自治を進めてきた。
「必要とされることは何でもやろう」という思いで地域のニーズに促されるまま活動を展開していくうちに手がける事業はどんどん拡大してきた。地域を担う人材も育ってきた。昨年には、「躍動鍋山が行ってきた26事業のうち事業性が高く地域内外で広く推進すべき事業を、法人格を持つ「労協うんなん」を設立して移管した。
「労協うんなん」が市から指定管理を受けている「深谷温泉ふかたに荘」にあった水車が4年前の水害で被害に遭った。地域住民により大切に管理されてきた深谷温泉をさらに盛り上げようと100万円をかけ水車を復活し、それを祝う特別イベントを開催した。
当日は掛合町松笠の「松笠そば」が出店し、その場で手打ちした出雲そばを提供。ふかたに荘の軒下には鍋山地区で作られた野菜の直売も行い、訪れた人たちが列を作って買い求めた。同荘の室内では、隣の中野地区から中野子ども神楽のメンバーが「国譲り」と題した神楽を披露。鍋山交流センターから送迎バスも運行した。