
奥出雲町三沢の街なかで8月23日に「みざわまちあかり」が開かれ、いつもは静かな通りが大勢の人でにぎわった。
同地域では、火事を防ぐといわれる山の神様で知られる「秋葉権現の祭り」として始まった十七夜祭が長年行われてきたが、2020年にコロナ禍で継続できなくなった。地域の若者たちが「(夏に)何もしないのは寂しい」と、街なかの軒先に明かりをともしたことで同イベントが始まった。当初はライトアップしただけで飲食はなく、皆マスクをしながらの静寂のイベントだったという。
当日は中央ステージで、17時から三沢幼稚園児がオープニングダンスを、「かぶりものめぐり」がパフォーマンスを、それぞれ披露した。17時30分過ぎからは子どもたちが山車に乗り、伝統の十七夜ばやしを披露しながら通りを練り歩いた。
三沢の街なかには町内外から27店の飲食店、射的などの遊戯店が出店した。尼子十旗の一つで尼子第三の城といわれる要害山三沢城の保存やPRを行う「要害山三沢城保存会」も甲冑(かっちゅう)を着て写真撮影するサービスを提供。甲冑を着たスタッフが何度も通りを練り歩いた。町内他地域にある専門学校の学生たちも遊戯店や飲食店を出店し、地域のにぎわい作りに貢献した。
19時になる頃には暗くなり始め、境内に秋葉権現が祭られる蔭涼寺の山門と石段がライトアップされた。中央ステージでは、22時近くまで大音量で若者たちのパフォーマンスが続き、その音は街なかの両端でスピーカーから流され、夜遅くまでにぎわった。
現地で不動産業を営む濱田達夫さんは「まちあかりが始まった時は、静寂の中に明かりがともっているだけだった。今日はたくさんの人が出て、ステージでもパフォーマンスを行い、にぎわっている。数年前なのに隔世の感がある」と懐かしんだ。