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雲南・海潮でかやぶき屋根の最後の夜神楽大会 「神楽の宿」葺き替えへ

海潮子ども神楽による「簸の川大蛇退治」の演目

海潮子ども神楽による「簸の川大蛇退治」の演目

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 「第34回夜神楽大会」が7月27日、雲南の「神楽の宿」(雲南市大東町須賀)で開かれた。主催は海潮地区振興会と大東町神楽連絡協議会。

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 座敷で行う神楽を保存・再現するために造られたかやぶき屋根の建物である「神楽の宿」は、出雲神楽をはじめ地域文化創造のための広場として利用されてきた。地元の人々によりかやぶき屋根のメンテナンスが行われてきたが、老朽化が進み屋根の葺(ふ)き替えを行うことになり、この日がかやぶき屋根の下で最後の神楽大会となった。

 神能記(神楽の台本)や神楽備品などに残っている文字や古色などからすると、およそ300年前から海潮地区の和野、山王寺本郷、蔦澤、北村、小河内の5自治会で神楽舞が行われてきたと考えられている。今では北村を除く4社中により保存伝承されている。海潮神代神楽は1958(昭和33)年に大東町(現雲南市)無形民俗文化財に、和野神楽は1961(昭和36)年に島根県無形民俗文化財に、それぞれ指定された。

 当日は、蔦澤社中による「清目・陰陽」に始まり、「海潮子ども神楽」による「簸の川大蛇退治」の演目を披露した。海潮中学校神楽部は、1982(昭和57)年に海潮中学校神楽クラブとして発足し、1991(平成3)年から部活動となり海潮神楽の伝承を担ってきたが、1994(平成6)年大東中学校との統合により神楽部が存続できなくなった。そこで同振興会と同協議会が連携・協力し、「海潮子ども神楽」として昨年5月にスタートした。中学生7人、小学生5人の計12人から成る今年のメンバーは4月から毎週月曜に練習を重ねてきたという。演目が終わると一人一人名前と役が紹介され、観客から大きな拍手が送られた。

 子ども神楽の後は、佐世神楽社中による「山神祭」、山王寺本郷神楽社中による「茅の輪」、和野神楽社中による「畝傍山」に続き、最後に小河内神楽社中による「簸の川大蛇退治」が披露され、夜遅くまで大勢の観客が神楽を楽しんだ。

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