学ぶ・知る

雲南で「空き家すごろく」体験会 地域おこし協力隊員が作成

8月発行の市報で配布する「空き家すごろく」を手に、「家の問題を家族で話すきっかけにしてほしい」と話す浜田さん

8月発行の市報で配布する「空き家すごろく」を手に、「家の問題を家族で話すきっかけにしてほしい」と話す浜田さん

  • 4

  •  

 雲南市で深刻化する空き家問題を遊びながら学べる「空き家すごろく」を雲南市空き家コーディネーター浜田美里さん(地域おこし協力隊)が作成し、7月23日、市役所で体験会が開かれた。

[広告]

 広島に家族で住み50歳の一人っ子の長男が、雲南市内の一軒家に一人で住む75歳になる父親と実家のことを気にしているという設定。コインの表が1マス、裏が2マス進む。浜田さんは「コインならどこの家にもある。ゆっくり進みながら、何が起こるか各マスの内容をしっかり読んでほしい」と話す。

 長男が久しぶりに実家に帰省し、父親と家のことを話し合うところからスタート。必ず止まるマスが所々に設定され、それぞれの場面で相続した家の家財道具を片付けるかどうかなどの悩ましい選択に迫られる。各マスでは、仏壇の処分に困り1回休みとなったり、解体費用が500万円となり1回休みになったりと、身近で切実な問題に直面することもある。

 浜田さんがルール説明を行った後、市の職員と地域おこし協力隊の8人が2チームに分かれてすごろくを体験した。管理不全空き家に認定され市役所から適正管理の指導を受けたり、市役所から適正管理の勧告を受けたりするなど、制度の周知を狙うマスも設定しており、参加者が制度について質問する場面も見られた。

 同隊員4人のチームでは、結果として全員が空き家を解体し土地を売ることになった。隊員の山口直登さんは「面倒だからと空き家を放置しておくと、近所に迷惑をかけたり、解体費用がかかったり、最後は土地を売ることになったり、大変になることがよく理解できた」、隊員の永井伸一さんは「解体にお金がかかり、土地を売却しても解体にかかったお金を取り戻せるとは限らない。お金の面もしっかり学ぶ重要性を感じた」と、それぞれ話す。

 市内の空き家は2023年で1660戸。2018(平成30)年から260戸増えた。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース