雲南の「コウノトリの会 春殖(はるえ)」が3月26日、大東中学校(雲南市大東町養賀)の入り口付近に新しい巣塔を建てた。
同地区にコウノトリがやって来たのが2017(平成29)年のこと。3月に恒例の「桜まつり」の準備をしようと春殖交流センター(大東町東下分)に集まった地域の住民が、同センター裏にある電柱の上に大きな鳥が巣を作っているのを見つけた。行政に問い合わせてコウノトリと分かったという。4月下旬には産卵・ふ化し、兵庫県豊岡の繁殖施設から別の場所に繁殖地を求めて移動した例は、徳島県鳴門市に続いて全国2例目だった。
同年5月には母鳥が事故死したため、4羽のひなは豊岡のコウノトリ郷公園で人工飼育。7月12日に春殖地区の養賀原でセレモニーが行われ放鳥された。11月にはNPO法人「コウノトリ湿地ネット」(豊岡市)の協力もあり、春殖地区振興協議会が西小学校の校庭に巣塔を設置した。
以来、毎年コウノトリが同地区周辺で繁殖するようになり、2019(平成31)年1月にコウノトリとの共生を図り、地域の活性化に寄与することを目的に「コウノトリの会 春殖」を設立。同会では、コウノトリが暮らす豊かな自然を守るための勉強会を開いたり、餌になるドジョウを放流したりするほか、餌場となるビオトープの整備・保全活動などに取り組んでいる。
同地区周辺では最近、3組のカップルが観察されている。今年2月に一組のカップルが電柱上に巣作りを始めるようになったが、電気設備の保全のために撤去された。以来7度にわたり営巣と撤去を繰り返してきたという。3月に入り、産卵の時期が近いことから同会では急いで新たな巣塔を建てることにした。
新しく建てられた巣塔では早くもカップルが巣作りを始めている。同会の石川幸男会長は「間に合って良かった。元気にひなが生まれて育ってくれるとうれしい」と期待する。