雲南の「フォレストアドベンチャー・たたらの里」(雲南市吉田町吉田)で3月10日、事業創出ラボ「Shift(シフト)」が開かれた。主催は雲南市商工振興課。
同ラボは、雲南市内で新事業を考える人たちが集まり、ビジョンや困難を共有しながら、互いに突っ込み合い、自身の事業を具体的に創っていく場。当日の開会であいさつした同課の土江和輝さんは「何かをガラッと変えるのではなく、少し進化させるという意味で『Shift』という言葉を使っている」と話す。当日は、2022年の同ラボでスピーカーを務めた「たなべたたらの里」地域開発部のメンバーが話題を提供した。
そもそも吉田の地域づくりを行う地域開発部が事業をスタートしたきっかけは、現当主の25代目・田部長右エ門さんが吉田中学校で講演した際に、集まった38人の生徒が全校生徒と聞いて、このままではこの地域が終わってしまうという危機感を持ち、その場で子どもたちに「皆が大人になる頃にはこの地域に仕事を作るからね。だからこの地域に戻って来てほしい」と約束したことに始まるという。どうすればこの地域を盛り上げられるかを考え、江戸時代吉田の地域と共に栄えた「たたら製鉄」をもう一度復活して盛り返すしかないと、たたら操業を復活させ、地域づくり事業を始めていった。
同事業部の井上保樹さんは「吉田の街には飲食店が2店、菓子店が1店しかない。観光事業をしようにも全部自分たちでやらないと始められなかった」と振り返る。「ただ、やってみると自分たちだけでは限界があることに気づいた。最近は、いかに外の企業に吉田に来てもらって事業をしてもらうかと考えを変えた」と話す。吉田に来てもらえる企業を探して全国を営業して回ったという。参加者たちは、新たにスタートしたテナント事業、古民家を改修した宿泊事業などの説明を聞きながら吉田の街を歩き、実際の施設を見学した。
その後、企業研修など新しいプログラムで進化を続けるフォレストアドベンチャーの施設に戻り、チームビルディングで地元の金融機関などが新人研修で活用しているプログラムを、参加者たちが3~4人の4チームに分かれて体験した。
体験後は、3つのチームに分かれてフォレストアドベンチャーのスタッフも一緒に、同事業を活用した新しい事業のアイデア出しを行い発表した。フォレストアドベンチャー事業の橋本友太リーダーは「自分たちでは思いつかないようなアイデアが出た。できるものからどんどん実現していきたい」と感想を述べた。
最後に参加者全員が一人一人、「明日から自分として何をやっていくか」をボードに書いて説明し、同ラボを締めくくった。