「雲南市ブランド米振興大会」が12月11日、三刀屋交流センター(雲南市三刀屋町三刀屋)で開かれた。主催は雲南市水田農業担い手協議会。
同会は2016(平成27)年11月、TPPなどにより日本の米作りの産地間競争がさらに激化することから、雲南市としての活路を見いだすため、よりおいしい米のブランド化を推進するために結成。今年で10周年を迎える。
当日は、雲南市ブランド米「プレミアムつや姫たたら焔(ほむら)米」の生産者28人とJAや行政の担当者12人、来賓10人の計50人が参加。ブランド米認定者の表彰を行ったが、今年はPランク米の認定がなく、雲南市長杯、JAしまね雲南地区本部長杯の該当者はなかった。
その後、プレミアム米の生産実績等を紹介し、1等米の比率は97.6%、ブランド認定比率は72.9%と昨年を大きく上回る好成績だったが、整粒歩合、タンパク質に課題があり、Pランクがなかったことを報告した。続いて島根県東部農林水産振興センターの玖島杏(くしまあんず)さんが2023年から行っている定点調査の結果を紹介。市内6地区別に生育、収量、食味、穀粒判別の結果を昨年との比較で説明し、収量は増えたが、登熟歩合や整粒歩合の低下が起きたことを報告。来年の生産に向けての重点対策を示した。
壇上の同会、行政、JAの幹部からは、米の価格と需給状況に対するコメントも相次いだ。冒頭のあいさつで同会の錦織満会長は「今年はJAが提示した概算金がとても高かった。生産者としてはもうかってありがたい一年になったが、消費者に買ってもらわなければ将来が不安。JAからの資材も値上がりしているが、生産者も努力してコストを下げ、消費者にも生産者にも適正な価格がどの辺りかをしっかり見極めていく必要がある」と話した。
販売促進の取り組みも紹介し、ふるさと納税の「たたら焔米」を返礼品に指定された寄付が昨年比13%増えたこと、市内の学校給食での提供、友好都市のある台湾でのPR活動などを紹介した。
最後に来年の生産に向けた申し合わせ事項として、高温に負けない栽培管理の強化、ブランド力の向上、「たたら焔米」栽培面積100ヘクタール早期達成を目指すことが確認された。