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雲南で人権問題を考える市民の集い 中高生の発表や講演会

講演するPIECE OF PIECE代表世話人の須田さん。横には手話の同時通訳者も

講演するPIECE OF PIECE代表世話人の須田さん。横には手話の同時通訳者も

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 雲南の三刀屋交流センター(雲南市三刀屋町三刀屋)で12月6日、「うんなんヒューマンライツフェスタ2025」が開催され、会場には70人余りが訪れた。主催は、雲南市、雲南市教育委員会、雲南市人権・同和教育推進協議会。

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 当日は開会のあいさつの後、「高校生ボランティアアワード2025」で「日本赤十字社JRC賞」を受賞した島根県立三刀屋高校JRC部のメンバーが、受賞の対象となった「神楽でつなぐ地域のきずなと防災力」と題して、防災意識や知識向上のための体験型の活動を企画し行ってきた地域活動を紹介した。会場には、実際に制作したヤマタノオロチ伝説をもとにした紙芝居やガレキから足を守る新聞紙で作るスリッパ、3Dプリンターで作ったカップなども展示し、新聞紙で作るスリッパなどは来場者が体験できるコーナーも設けた。

 続いて「少年の主張島根県大会」で県知事賞を受賞した三刀屋中学校1年の森脇歩花さんが、最優秀作品「私にできるお手伝い」を朗読。友達との会話の中からヘルプマークや逆ヘルプマークを知ったこと、外出時に自ら逆ヘルプマークを付けていたところ「大丈夫ですか」と声をかけられ、ヘルプマークや逆ヘルプマークが知られていないことを実感したことから、これらのマークを知ってもらおうとポスターを作ったことなどを紹介。「中学生になっても困っている人のためになるような活動をしたい。こうした気持ちの源泉には、小さい頃から大人と一緒に地域活動に参加してもらって『ありがとう』と言われた経験などがある」と話した。

 最後に「第19回雲南市人権問題を考える講演会」で、2017(平成29)年に平和学習「私たちのふるさとに戦争があった頃」の取り組みを開始し、今年8月に「平和学習島根ふるさと読本」を制作した「PIECE OF PIECE島根教師の会」代表世話人の須田英典さんが登壇した。講演では須田さんは子どもたちが「戦争というと広島や長崎の原爆、沖縄戦、大都市の空襲など、遠くであったことだよね」と話すことに危機感を持ったという。「子どもたちにふるさと島根であった戦争のこと、戦争によって子どもたちがどんな影響を受けたかを知ってもらい、戦争時の当たり前と平和な時の当たり前の違いを、しっかり子どもたちに理解してほしい」と呼びかけた。

 会場では、手話の同時通訳が行われ、スタッフによる同時文字起こしを行いスクリーンで話の内容を確認できるなど耳の不自由な人への配慮も行った。

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