八日市の名物「浪花家の大松」で知られる浪花酒店(雲南市木次町八日市)で11月4日、角打ちイベント「第2回 酒と肴(さかな)と月と松と」が開かれた。主催は浪花酒店と遠足計画。
かつて商店が立ち並ぶ街の中心として栄えた八日市ににぎわいを取り戻そうと始まった同イベントを、今月もスーパームーンの前日に開いた。夕方から気温が下がり寒くなったこの日は、三々五々集まってきた地域の人たちが次々と浪花酒店の店内に入っていった。
店主の姉の藤原明子さんは「自分たちの年代は統合50周年を迎えた木次中学校の統合前の学校の最後の卒業生。先日行った同窓会でこのイベントを宣伝したところ、同級生がたくさん来てくれた」と話す。店主の浪花一浩さんも「こんなにたくさん人が来てくれるとは思ってもみなかった」と話す。
隣の空きスペースに三日市の石田魚店と松江市美保関から「ゲテモノ」が出店。石田魚店はスズキの塩こうじ焼きや南蛮漬け、焼きサバずしなどを、ゲテモノはサバの塩辛でソースを作ったバーニャカウダ、祖父から引き継いだ秘伝のレシピによる唐揚げなどを提供した。開店を待って総菜だけを買い求める地域の人たちも見られた。
今回から「つちのと舎」も出店し、自家焙煎(ばいせん)したコーヒーを提供した。生物多様性協会と共に完成したブラジル産有機JAS生豆を使った無農薬コーヒー「珈の時」も提供。ブラジルには、雲南市が繁殖に取り組むコウノトリの一種、ジャブリコウノトリが生息するという。商品の売り上げの一部は斐伊川水鳥プロジェクトに寄付する。
同イベントに協力する八日市交流センターの深田誠さんは「これまで地域自主組織は地元の人たちのためにという思いが強く、地域外の人たちにも広く楽しんでもらい、にぎわいを作るような企画ができてこなかった。地域の店と外部の人が協力して企画を進めてくれて、いろいろな人たちが交流できる仕掛けをしてもらってうれしい」と話す。
次回は12月18日、クリスマスバージョンを開催する予定。