11月1日発行の雲南市報でニホンザルによる被害対策の特集記事が掲載された。執筆したのは雲南市地域おこし協力隊鳥獣対策コーディネーターの山田稔紀(としき)さん。
2023年度に策定された雲南市鳥獣被害防止計画によると、2021年度の市内の鳥獣による被害額は1,250万円。大部分はイノシシによる被害だが、ニホンザルによる被害が2番目に多く、近年増加傾向にあるという。山田さんは「雲南市内には30~60頭の群れが4群確認されており、全ての群れが農作物被害を発生させている。サルは群れで生活していることもあり、一度の被害額が大きく、イノシシなど水稲の被害は被害を把握しやすいが、野菜や果樹などのサルの被害は捉えにくい。頭が良いことから住民の不安も大きい」と言う。
対策としては、(1)侵入防止の柵を設置する、(2)放置された果樹の撤去、藪(やぶ)のなどの隠れ場所をなくす、追い払いをするなどの生息環境管理、(3)捕獲・駆除の3本柱を、全てしっかり行うことが必要という。山田さんは「特に柵は設置も重要だが、適切に維持管理することが重要。手間がかかって大変なのは良く分かっているが、効果を出し被害を少なくするために自分事としてやってほしい。一度柵を破って侵入して、おいしい思いをすると、柵があっても何としても破ろうとしてしまう」と話す。
特にこれからの季節は、山の餌が減って、柿などの果樹が多い人里に出て来やすい時期となる。山田さんは「人里に出てきてもメリットがないことをサルに学習させていくことが重要」だと言う。特集記事には柵の維持管理のための現場チェックリストを付けた。
山田さんは「雲南市内でも目撃が増えているクマの被害対策については昨年9月の市報で特集を載せているので確認してほしい」と話す。